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よいではまいか

日日と感覚と琵琶が

無防備なことば

学生のとき、人の話すことばを書き起こすのがちょっとマイブームだったことがある。
もとは、課題のために3つの質問をして、それに答えてもらったインタビュー音声を整理するのに始めたのだった。
始めてみると、書き起こされた話しことばがおかしくて、たのしくて、それからわずかな期間、友人との食事時にはレコーダーを持ちこみ、あとで一部書き起こして印刷して蒐集する遊びをしていた。

話しことばというものは、こんな書きことばとは違い、思いもよらないほどめちゃくちゃだった。
主語もなく始まったり、時間軸がとにかく飛び散らかっていたり、ああとかなんかとか無意味な単語がやたらに挟まっていたり、尻すぼみに消えていったり、成立してない文章未満の文章。

また、音声を文字化することで、声色とか温度湿度においみたいなかすかなものも取り払われて、あまりにも簡素な情報のかたまりに成り果てるのだった。

すっぴんのことば。
野ざらしのことば。

書きことばとは、ずいぶんと意識的に、べたべたと装飾されスタイリングされたものなんだなあと、感心してしまった。
なにに対してかはわからないけれど。

音声→文章化した素材は、その後小説としてまとめました。
インタビュー元がわからないくらいこねくりまわした幻想ふわふわ小説になった。


あのとき、インタビューして文章にするって、じつはけっこうたのしいんだなあとじんわり興奮したのでした。



もりや

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